心眼の正体とは?

盲目の少年が、日本のゲーマーを圧倒。

日本テレビ記憶のチカラ3」(2006/2/11放送)に衝撃を受けた。


生まれつき盲目のアメリカ人ブライス君が、
日本のトップゲーマー25人と3D格闘ゲームで対戦し、
そのうち22人に勝利したのだ。*1


ブライス君は目がまったく見えないので、
操作方法や状況などを姉に教えてもらいながら、
ゲーム中のあらゆる音を記憶していくという。


そうして彼は、音だけで対戦状況を把握できるようになるのだ。
まさに心眼である。

心眼の正体は、異常に発達した聴覚と脳。

ブライス君のゲーム中の脳を検査した結果、
盲目のため働かないハズの視覚野と、
意思決定をする前頭前野が非常に良く働いているという。
つまり、目が見える人間よりも、脳が活性化しているのだ。


目が見える一般人は、視覚が妨げとなって脳が本来持つチカラを
フルに発揮できないが、ブライス君は盲目ゆえに聴覚と脳が発達し、
心眼を開くに至ったのではないかという。

心眼は実在した。

心眼とは「殺気や気配を、第六感的な感覚によって知覚するもの」
というイメージを持っていた。


だが、実際はブライス君のように、音による知覚だったのだろう。
心眼の正体とは、心で見るのではなく、耳で見ることだったのだ。


まるで「ソリトンの悪魔〈上〉 (ソノラマ文庫ネクスト)」に出てくる、「ホロフォニックスソナー」のようだ。
これは聴覚によって立体音響視覚を得ることができる装置で、
360度全方位に渡って、障害物の裏側すら見通すことができるという
夢のようなソナーである。


心眼を開いた人間は、「ホロフォニックスソナー」のような、
音による全方位かつ無死角の知覚を持っていたのではないか。


盲目の剣豪は実在したに違いない。

*1:対戦したのは「モータルコンバット デセプション」という日本では未発売のゲームのようで、おそらく日本のゲーマー達は初プレイだったのだろうけど、それを差し引いても驚異的だ。